こんにちは!

みなさんは、子どもの発達に「足裏」や「踵」が大きく関わっていることをご存じですか?

実は、足裏から得られる感覚刺激は、体のバランスを整えたり、運動能力を向上させたりするうえでとても大切なんです。今回は、足裏や踵を使った感覚刺激が子どもの成長にどのような影響を与えるのか、そして家庭で簡単に取り入れられる方法をご紹介します!

靴の踵を踏むのはNG!正しい履き方の大切さ

靴の踵(かかと)を踏んでいませんか?実は、靴の踵を踏むと足裏や踵が受けるべき感覚刺激が減少してしまいます。その結果、足の発達だけでなく、バランス感覚や姿勢にも悪影響を及ぼす可能性があります。靴は正しく履き、足裏全体が地面を感じられるようにしましょう。

足裏と踵が子どもの体を支える理由

足裏は「第2の心臓」と呼ばれるほど、私たちの体に重要な情報を送っています。特に踵は、歩いたり立ったりするときに体重を支える重要なポイントです。踵への刺激が不足すると、次のような影響が出ることがあります。

転びやすくなる

姿勢が不安定になる

集中力や運動能力に影響が出る

一方で、足裏や踵をしっかり使うと、固有覚(体の位置や動きを感じる力)や前庭覚(バランス感覚)が育ち、小脳がよりスムーズに働きます。これにより、姿勢や運動能力が大きく向上するのです!

小脳と足裏・踵の関係

小脳は、運動の調整や学習に関わる脳の部位です。

足裏や踵からの感覚情報は、小脳を刺激してバランス調整や運動の正確性を高めます。特に「小脳の長期抑制(LTD)」と呼ばれる仕組みが働き、繰り返しの運動を通じて「正しい動き」を学習するのを助けます。裸足での遊びや、踵を意識した運動は小脳を活性化させるうえでとても効果的です。

長期抑制(LTD)とは?

LTDは、小脳内で神経細胞が情報をやりとりする際に起きる現象のひとつです。具体的には、動作を繰り返す中で、うまくいかなかった動きに関する情報は「弱められる」仕組みがあります。これがLTDです。この「間違いを抑制する」プロセスにより、子どもたちは徐々に正確な動きができるようになります。そして、一度の練習では小脳は完全には学習しませんが、繰り返し行うことで、より正確で効率的な動きが身についていきます。たとえば、自転車に乗る練習や縄跳びの動きを覚えるとき、小脳のLTDが何度も繰り返され、動きがスムーズになるのです。その為、何度も挑戦することが大切になります。

踵刺激と長期抑制の関係

足裏や踵を刺激する運動は、LTDを促進するための情報を小脳に送る役割を果たします。特に次の点で効果があります。

足裏からの感覚情報

足裏に加わる圧力や接地感は、小脳にとって「体の状態を理解する」ための重要な情報源です。この情報をもとに動きの精度を調整します。

踵での体重移動

歩行やジャンプなどで踵に刺激が加わることで、より正確な運動パターンが学習されます。

繰り返しの動作

裸足で歩いたり、踵を使った運動を繰り返すことで、LTDを通じた運動学習がスムーズに進むのです。

日常に取り入れるLTDを促進する活動

家庭で簡単に取り組める方法をいくつかご紹介します。これらはすべて、小脳のLTDを活性化し、運動学習を促進する効果が期待できます。

1. 裸足での感覚体験

• 砂浜や芝生など、異なる感触の地面を裸足で歩くことで足裏感覚を刺激します。

• 足裏からの情報が増えることで、小脳がより多くのデータを受け取り、正確な調整が可能になります。

2. 踵を意識した運動

• 軽くジャンプして踵を地面につける「踵トントン運動」や、踵で体重を支える「つま先立ちからの着地運動」が効果的です。

3. 回転やバランス遊び

• 平均台を使った遊びやブランコ、回転する椅子は、小脳がバランス調整のためのLTDを強化するのに最適です。

4. リズム運動

• 音楽に合わせてリズムよく体を動かすと、動きの反復性が増し、小脳の学習能力が高まります。

まとめ

子どもたちの運動能力やバランス力の発達には、小脳の働きが大きく影響しています。そして、小脳の学習能力を支える「長期抑制(LTD)」を活性化させるためには、足裏や踵をしっかり使う遊びや運動が効果的です。

日々の遊びやちょっとした工夫が、子どもたちの感覚や運動能力を大きく育てます。足裏や踵への意識を高め、楽しく体を動かす時間を増やしてみてくださいね!「靴の履き方」「踵の刺激」「裸足の体験」を取り入れるだけで、お子さんの成長に良い変化が現れるかもしれません。

子どもの健やかな成長を、一緒に支えていきましょう!