こんにちは!ウーブレックは、楽しい触感遊びでありながら、発達支援にも役立つ素晴らしい素材です。具体的な効果やその仕組みをわかりやすく解説していきます!
1. ウーブレックとは?
ウーブレックは、片栗粉(またはコーンスターチ)と水を混ぜて作る物質で、見た目は液体ですが、触り方によって固体のような感触になります。この性質が子どもたちにとって刺激的な感覚体験をもたらします。
ウーブレックが示すこの独特な性質は、「ダイラタンシー現象」と呼ばれるものです。ダイラタンシーとは、通常の液体とは異なり、圧力を加えると粘度が高くなる(固くなる)現象です。圧力を加えないときは液体のように流れますが、強く握ったり、叩いたりすると瞬時に固体化するのが特徴です。
例: ウーブレックの上にゆっくりと指を入れると液体のように沈みますが、強く押すと固まって指が入らなくなります。この現象は、片栗粉の粒子が水分と相互作用し、圧力がかかると粒子が密集して固まるために起こります。
2. ウーブレック遊びがもたらす感覚統合の効果
• 触覚の発達:ウーブレックは、手に持つときの圧力や速度によって感触が変わるため、触覚受容器を豊かに刺激します。子どもは、液体と固体の間の不思議な感覚を楽しみながら、触覚の発達を促進できます。
• 視覚と触覚の連携:ダイラタンシーの性質により、視覚で見たものと実際に触ったときの感触が一致しないことがあります。この不一致は、脳が異なる感覚を統合するための訓練になり、感覚統合の発達に役立ちます。
• 好奇心と問題解決力の向上:ウーブレックの変化する感触に興味を持ち、こどもたちは試行錯誤を繰り返します。こうした経験が、好奇心や問題解決力を育むことに繋がります。
3. ウーブレック遊びと固有覚の発達
• 筋力と圧力の調整:ウーブレックの固さは、触り方によって変わるため、子どもは手や指の力加減を自然に調整することが求められます。この過程で、筋肉や関節の動きに関する情報が脳にフィードバックされ、固有覚の発達が促進されます。
• 手指の器用さの向上:ウーブレックを握ったり、手で押したりすることで、指や手の筋肉を使う練習になります。これにより、固有覚が強化され、手指の器用さも向上します。
4. ウーブレック遊びがもたらす心理的・情緒的な効果
ウーブレック遊びは、感覚統合や固有覚の発達だけでなく、情緒的な安定やストレスの軽減にも役立ちます。
リラックス効果
• ウーブレックの柔らかな感触は、こどもに安心感を与えることがあります。特に、感覚過敏のお子さまには、ウーブレックの触り心地が癒しをもたらす場合があります。
自己表現の場としての効果
• ウーブレックは、型を作ったり、指で模様を描いたりすることができ、自由な自己表現の場としても活用できます。これにより、創造性や表現力の向上が期待できます。
5. ダイラタンシーを活用した発達支援の具体例
1. 力の調整を学ぶ遊び
ウーブレックの上で手を軽く滑らせると液体のように動きますが、強く押すと固まります。この性質を利用して、こどもたちが自分の力加減を調整する練習ができます。これにより、固有覚が鍛えられ、力の入れ方が上手になることで、日常の作業(箸を持つ、ボタンを留めるなど)もスムーズになります。
2. 感覚過敏の緩和
触覚に敏感なこどもにとって、ウーブレックは柔らかく、液体的な感触が心地よく感じられることがあります。ゆっくりと手を沈めたり、軽く触れたりすることで、触覚の過敏さが緩和され、リラックス効果が得られることもあります。
3.宝探しゲームでの感覚統合
ウーブレックを使った宝探しゲームは、感覚統合や固有覚をさらに刺激する楽しい遊びです。見た目では何が入っているかわからないので、手で感触を確かめながら探し出します。こどもは手や指の感覚を頼りに、視覚に頼らずに宝物を探すことで、触覚や固有覚が発達します。
効果
• 触覚と固有覚の発達:見えない状態で宝物を探すことで、手指の感覚が鍛えられ、固有覚の向上に役立ちます。
• 問題解決力の向上:どこに隠されているのかを推測し、手の感覚だけで探し出す体験が、問題解決能力を高めます。
• 集中力と注意力の向上:宝物を探すために集中し、じっくりと手を動かすことで、集中力や注意力も鍛えられます。
4.ウーブレックを足で踏む遊び
• 固有覚の刺激:ウーブレックを足で踏むことで、手とは異なる感覚が刺激されます。足の裏は感覚受容器が多く、特に触覚や固有覚が発達します。
• バランス感覚の向上:不安定なウーブレックの上で体重をかけると、バランスをとるために体幹の筋肉が働きます。これにより、バランス感覚や体幹の強化が期待できます。
6. 家庭でもできる簡単ウーブレックの作り方
お家でも簡単に作れるウーブレックのレシピをご紹介します。
材料
• 片栗粉(またはコーンスターチ):1カップ
• 水:1/2カップ
• 食用色素(お好みで)
作り方
1. ボウルに片栗粉を入れます。
2. 少しずつ水を加えながら、よく混ぜます。
3. 食用色素を加えてカラフルにしても楽しいです。
4. 触り方によって固さが変わるので、さまざまな力で触ってみて楽しみましょう!
7. サポートの方法
ウーブレック遊びを安全かつ効果的に楽しむためのポイントを紹介します。
1. 安全な環境で遊ぶ
ウーブレックはこぼれやすいので、新聞紙やシートを敷いて遊びましょう。また、遊び終わったらしっかりと掃除し、床が滑らないように注意が必要です。
2. こどもの反応を観察する
ウーブレックの触感に対して嫌がるお子さまもいます。無理に触らせず、少しずつ触れる時間を増やして慣らしていくと良いでしょう。
3. 自由な遊び方を見守る
ウーブレックは自由な発想で楽しめる遊びです。型を作ったり、模様を描いたり、力加減を試したりすることで、こどもたちの創造力や感覚の発達が促進されます。
おわりに
ウーブレック遊びは、ただ楽しいだけでなく、感覚統合や固有覚の発達に大きな効果をもたらす遊びです。「ダイラタンシー」という特殊な物理現象を体験しながら、こどもたちは感覚の調整力や自己認識を高めることができます。ぜひ、お家でもウーブレック遊びを取り入れて、楽しみながらこどもたちの発達をサポートしてみてください。
質問やご相談があれば、いつでもお気軽にどうぞ!一緒にこどもたちの成長を支えていきましょう。